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ピッコロソナタ/ゲイリー・ショッカー

来月6/23の発表会で私が演奏する曲の楽譜です。

アメリカのフルーティストで作曲家でもある、ゲイリー・ショッカー(ご健在です。)のピッコロソナタ第1番。

よくピッコロはフルートと同じですか?や、小さいから子供がするのにいいのでしょうか、といった質問が生徒さん方から寄せられるのでここでご説明。

 

ピッコロは、フルートと同じ指使い、同じ原理で音が出ますが、小さくて可愛い外見とは裏腹にコントロールが難しく、小さなお子さん用の楽器ではありません。もしピッコロを吹きたいなら、まずフルートを十分に吹けるようになってからになります。

 

音域はフルートより1オクターブく、数ある楽器の中で一番高い音の出る楽器です。どのくらい高いかというと、ピッコロの最高音はピアノの最高音と同じです。ピアノの一番右端にある鍵盤は、弾いても小さい音しか出ませんが、ピッコロでは強烈な破壊音(?)として、フルオーケストラが大音量で鳴っていても飛び出して聞こえてきます。一種の効果音のような存在です。

 

そしてここからはピッコロへの苦情。

 

見た目の可愛さと違ってこちらの言う事を全く聞いてくれません。とにかく音程が悪い!それもメチャクチャ悪い!(笑)ですので、ピッコロには替え指が必然となっており、フルート雑誌では替え指特集が組まれる事もあります。そして高すぎる音域で耳がツーンと痛くて辛い。長時間の練習は厳しいので、ひとまずフルートで譜読みをしてからピッコロを吹く、とい事も時には必要になってきます。

歌口の穴が小さいので、フルートよりアパチャ(演奏する時に唇に空く穴)を小さく、高音域では息のスピードを速くする必要がありますが、やり過ぎると唇が振動してブーっとなってしまいます。

 

フルートよりも少ない息の量で吹くことが出来るのでブレスが長く持ちますが、その分フルートより表現の幅が狭く、音色の変化も付けづらいです。

中学校の吹奏楽部のパート練習でもピッコロの子がいつも悩みを抱えていて、最近よくピッコロを練習するようになった私も一緒に解決策を探すようになりました。

 

ピッコロの素晴らしいところは、まるで小鳥が鳴いているような可愛さで、鳥をイメージした曲が沢山あります。吹奏楽やオーケストラでもよく目立ち、反対に聞こえないフルートの美味しいところを持って行きます。

息の量が少なく済むので長いフレーズがあってもブレスが続きます。指をキイに置く間隔が狭いので早いパッセージでも指がよく動きます。(あくまでもフルートと比べてで簡単ではないです。)

 

フランスのピッコロ奏者で、ボーマディエという有名な方がいらっしゃいますが、それはそれは、素晴らしい演奏で、ピッコロもこんなに表情豊かに演奏できるんだぁ、と感激しました。

そこに一歩でも近づきたいので、唇のコントロール&耳ツーンと戦っている日々です。