· 

エール

世界中で新型コロナウイルスが猛威をふるっており、音楽界も大打撃を受けています。

音楽を仕事とする世界中すべての方が窮地に立たされ、日本より規制の厳しいパリに住む私の先生も例外ではありません。

コンサート、学校、部活など自粛が続く中、私も日々自問自答しています。

自分には何が出来るのか、何がしたいのかを考えた結果、文化芸術の灯をともし続けたいという思いが強く、音楽なしの世界など考えられないので、自宅教室の良さを生かし、引き続き教室の開講をする事にしました。

 

衛生面では、教室の窓を開ける、家の24時間換気システムをフル稼働させる、毎回消毒をする、生徒の楽器の片づけは当面手伝わない、試奏をしない、接触を避ける、などしています。ですが何より健康が一番ですので、不安のある生徒さんには休会していただいています。

 

6月末の教室発表会は開催予定で生徒同士のアンサンブル演奏をどうしようかと、ある生徒さんにお話したところ、フルートは横に長い楽器だから、自然と1メートル以上は離れませんか?と仰っていただいて、それはそうだわ、フルートは元々パーソナルスペースが広いわね、という事でアンサンブルもする予定です。

 

挙式演奏の仕事も全てキャンセルになったので、家の片付けなどしていても限界があり気分は沈む一方。これはまずい、こんな事ばかりしていられない、今自分がすることは他にもあるはずだわ!!とオンラインレッスンの準備を始めました。今後の状況の変化、レッスンは受けたいけど教室に通えない、補講を受けたいけど時間が無い時の為に、海外や東京では既に始まっているようで、教室の先生方は協力してオンラインレッスンの仕方を動画で共有されています。

 

そんなこと私にできるかしら、と不安でしたが、いざ調べてみるとあらあら簡単、スマホ、タブレット、パソコンのいずれかがあれば、どなたでも簡単に出来るようです。先日、ある生徒さんに協力していただき、オンラインの実験をしてみました。生徒さん側は問題なく聞こえて見えるようですが、こちら側は、画像音声の乱れがあったので、それが改善出来次第、生徒の皆さんに声かけをする予定です。ご興味のある方は試験的に一度オンラインを体験していただこうと思っています。

 

今やれることをする、教室のあり方も状況に合わせて柔軟に変えていく、選択肢を増やす事も大切かもしれません。

勿論、ネットの向こう側でなく、同じ空間で一緒に生の音楽を奏でるのが一番ですので、また何も気にすることのない世界に戻る事を願っています。

 

NHKの朝ドラは今日から「エール」が始まりました。人生にとって音楽がいかに大切かをテーマにしているようです。ちょうどいいタイミングで始まったので初回放送から涙ぐみました。

これから毎朝勇気をもらえそうです。